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糖尿病について

目次

糖尿病とは

 糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が正常値よりも高くなる病気です。これは、膵臓(すい臓)から分泌されているインスリンという血糖を下げるホルモンが何らかの原因で不足(インスリン分泌低下)したり、体に効きにくくなって(インスリン抵抗性)いたりするために起こります。インスリンは血液中のブドウ糖を細胞が利用したり、グリコーゲン(ブドウ糖を貯蔵しておくことのできる物質)として肝臓や筋肉に貯蔵したりするのを助けますが、この仕組みがうまく働かなくなると、血液中にブドウ糖があふれて、全身の血管が少しずつ傷ついていってしまいます。

 そして最終的に体中の様々な臓器が傷んでしまい、合併症を起こします。中には命に関わる重篤なものもありますが、ほとんど自覚症状のないまま進行することもあるので、健康診断などで血糖値の異常を指摘された場合はできるだけ早く受診するようにすることが大事です。

糖尿病の診断方法

 糖尿病を診断するためには、採血検査が必要です。空腹時の血糖値や、ブドウ糖が沢山入った飲み物を飲む前後の血糖を測る検査(75gブドウ糖負荷試験(75gOGTT))を診断の根拠とします。正常な場合、空腹時の血糖値は110 mg/dl未満、負荷試験2時間後の血糖値は140 mg/dl未満です。空腹時の血糖値が126 mg/dl以上、または負荷試験2時間後の血糖値が200 mg/dl以上の場合は糖尿病と診断されます。

 なお、血糖値が正常値を超えてはいるものの、糖尿病の基準には達していない場合は「境界型」と呼ばれます。これは、いわゆる“糖尿病予備群”に当たります。また、空腹ではない時に測定した血糖値を「随時血糖」といい、随時血糖値が200 mg/dl以上の場合も糖尿病と診断されます。

HbA1cについて

 また、血糖値だけでなく、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)も糖尿病の診断に使われます。HbA1cは赤血球の中のヘモグロビンに糖が結びついたもので、過去1~2か月の平均的な血糖値を反映します。血糖値が高いと当然、HbA1cの値も高くなります。HbA1cの正常値は4.6~6.2%で、6.5%以上であれば糖尿病の可能性が高いと考えられます。

 最終的に、空腹時の血糖値、75gOGTT 2時間後の血糖値、随時血糖値、およびHbA1cの値を組み合わせて糖尿病の診断を行います。それぞれの値が基準を超えているかどうかを確認し、総合的に判断します。糖尿病の診断は一度の検査だけでは診断がつかないこともあり、継続的な観察と検査が重要です。疑わしい場合や症状がある場合は、早めに医療機関で検査を受け、適切な治療と管理を行うことが大切です。

 

糖尿病の種類

 糖尿病と診断された際は、次にどの種類の糖尿病なのかを考えていく必要があります。主に以下の4つの種類があります。

2型糖尿病

 2型糖尿病は、いわゆる“生活習慣病”として言われている糖尿病で、日本人の糖尿病の90%以上を占めます。初期の段階ではインスリンが効きにくくなることによって血糖値が高くなり、病気にかかってからの時間経過とともにインスリンの分泌が不足してくることもあります。成人に多く見られますが、最近では肥満や運動不足の子供にも増えています。2型糖尿病は遺伝的な要因や生活習慣が大きく関与しています。

 生活習慣病とは言われるものの、遺伝的要素も大きく関わるとされ、同じような食生活で過ごしていても糖尿病になりやすい人もいれば発症しない人もいます。一概に食生活だけの影響とは言い切れないと考えられています。

1型糖尿病

 1型糖尿病は、インスリンを分泌する膵臓の細胞(β細胞)が主に自己免疫の反応によって破壊され、インスリンがほとんど、または全く分泌されなくなる病気です。通常、子供や若年者に発症することが多いですが、成人でも発症することがあります。治療は基本的にインスリンが必須となります。

 その原因は正確には解明されていませんが、遺伝の要素やウイルス感染症が引き金となり、何らかの免疫異常が起こって自分の細胞を攻撃する抗体ができてしまうこと、つまり「自己抗体」が関わっていると考えられています。膵臓を攻撃してβ細胞を破壊する自己抗体として、抗GAD抗体・抗IA-2抗体などが知られています。

 

 1型糖尿病は、インスリンが分泌されなくなってしまうスピードによって、更に以下のように分類されます。

劇症

 わずか数日程度でインスリンが分泌されなくなってしまう、最も急激に進行するタイプです。すぐにインスリン治療が開始されないと命に関わる非常に危険な状態になります。発見された時点で血糖値はすでに非常に高いことがほとんどですが、発症が急激であるので、HbA1cはさほど高くない(HbA1cは1~2か月の血糖値の平均をみる指標なので)ことも特徴です。劇症1型糖尿病では自己抗体が認められないことが多いです。

急性

 1型糖尿病で最も頻度の高い典型的なタイプで、糖尿病の症状が出始めてから数か月でインスリンが分泌されなくなってしまいます。インスリン治療を始めた後に、残っていたす膵臓の機能が一時的に回復し、インスリン治療がいらないように見える時期(ハネムーン期)がある患者さんもいますが、この効果は続いても数か月程度であり、その後は再びインスリン治療が必要となります。急性1型糖尿病では自己抗体を認めることが多いです。

緩徐進行

 年単位でゆっくりとインスリン分泌が低下していくタイプです。初期の頃はインスリンを分泌する力がまだあるので、インスリン注射を使わなくても血糖値をコントロールすることが可能ですが、もしインスリンを分泌する力がそれなりに残っていたとしても、膵臓に負担をかけるような内服薬は推奨されず、それ以外の内服薬を選択したり、場合によってはインスリン治療を早い段階から行うことで、膵臓のインスリンを分泌する力を少しでも温存した方がよいとされています。糖尿病を初めて診断された際、2型糖尿病のような背景があっても、血液検査で自己抗体を検査したところ陽性であり、実は緩徐進行1型糖尿病だった、というようなケースがあります。

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病は、妊娠中に初めて発見される糖尿病で、出産後には正常に戻ることが多いです。ただし、将来的に2型糖尿病を発症するリスクが高くなるため、継続的な管理が必要です。

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